川崎フォトエッセイ  その1220 忍者      HOME

 何らかの特徴があると有利な面がある。他ではない、そこだけにある特徴だ。

 その特徴に具体性がなく、ただの記号的、抽象的な存在になっていても、多くの人々が共有しているシンボルは、馴染みがあるだけに吸着力も強い。

 忍者という言葉の響きから、それは「隠れる」ことを連想することが多い。姿は見えないが、しっかりと活動している優れもののイメージだ。

 忍者には懐かしいイメージもある。それは忍者小説や忍者映画の影響で、チャンバラごっこに熱中していた世代なら理解できる、気恥ずかしいような稚拙さへの郷愁だ。  忍者は、猿飛佐助のように、少年達のヒーローだった時代もあるのだ。

 今、町内でチャンバラごっこをしている子供は、殆どいないだろう。また、高い塀から飛び降り、忍者の真似事をしている子供もいないだろう。

 しかし、忍者の持つシンボル性は、今後も生き続けるだろう。