川崎フォトエッセイ  その1236 注目      HOME

 何気なくそこにあり、そして、さほど意識しないで見ているものがある。

 日常の中に溶け込んでいるものは、敢えて見ようとはしないことがある。注目するに値しないためだろうか。

 そんな感じで溶け込むまでが大変で、どんなものでも最初は注目を引いたはずだ。

 それらが完璧に溶け込み、そして消えてしまい、一世代ほど経ると、再登場したときは、また注目されるものとなる。

 よく見かけていたものを、見かけなくなることもある。当然それに取って代わるものに置き換えられたり、また、そのものは最早必要としなくなったためだろう。

 作品という概念ではなく、日常の中に置かれているオブジェ達は、より現実的で実用的な品々だ。

 そして、誰かが作った作品よりも、より時代や状況に敏感に反応する。

 古いものを復活させようとする臭い意志よりも、自然に出てきてしまうところの復古品が好ましい。