川崎フォトエッセイ  その1253 老舗      HOME

 新鮮な果物でも、古くからある老舗で買うと趣が違ってくるように感じられる。

 容器が違うと、中身が違うように思うのと同じだろうか…。

 この種の錯覚を利用出来るのは、長い年月営業し続けた店だけの特権だろう。

 新しい店による雰囲気は、すぐに作ることは出来るが、年代物の店は、すぐには作れない。

 過去の遺産と言うより、今日まで潰れないで、商えただけでも、立派な勲章だろう。

 古い店ほど、安定している面が多い。何十年もずっと開いているのだから、明日もまた開いているだろうと思うからだ。

 新参の店が潰れても、よくあることだと思えるが、老舗が潰れると、時代的な何かを感じる。

 時代的なもの、ご時世的なものは、店が潰れるという任意の現象ではなく、他のジャンルでも起こっていることかもしれない。