川崎フォトエッセイ  その1295 見慣れた夜      HOME

 家路に向かう夜の道がある。街中では見慣れた夜道で、日常範囲内にある。

 街灯の明るさは、そこを通る人やクルマがいるため、必要なのだ。

 街の夜の闇には、もう魔物はいなくなっている。何かが潜んでいそうな暗闇が少なくなったためだ。

 深夜の路地は、さすがに暗く、そこを通るのは怖いかもしれない。路地の怖さより、深夜まで起きている住人の視線のほうが怖いかもしれない。

 当然、見知らぬ人間が、暗闇の路地に入り込んでいる状態は、住んでいる人達は、さらに怖い。

 また、いつも見かける人が、歩いていたとしても、深夜に歩いている姿は、異様かもしれない。

 零時を過ぎてから、外に出ることは、日常の中ではそれほどないのだが、深夜時間帯に起きている人は、最近では珍しくなくなった。 その人達は魔物ではない。

 

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