川崎フォトエッセイ  その1338 老いた景観      HOME

 懐かしい場所とは、個人差もあるが、やはり、何十年か前の景観が残っている場所だろう。

 ある世代にとっては当たり前の風景で、懐かしさを感じない古い景観もある。見る側の世代が、そこで止まっているのではなく、当たり前の日常風景としてみている場合だ。

 それが出来たときは、最も新しい形式の建物だったわけで、それ以前の形式から見れば、景観を壊すようなモダンなものだったのかもしれない。

 ある世代の人々が老いるように、その世代を象徴していたような景観も老いていく。そして、世代交代が行われるように、建物も建て替えられる。

 何らかの事情で、残った建物は貴重な存在なのだが、その多くは景観保存のために残そうとしたものではないはずだ。

 偶然それが残っていると言うことだけでも、その町の事情が見える気がする。

 

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