川崎フォトエッセイ  その1374 木戸       HOME

 開くこと出来る柵程度の木戸は、威圧感がない。

 その木戸が庭に通じ、そのまま母屋にまで入り込めるとすれば、余程のんびりとした場所なのだ。

 特に金目の物がない場合、盗まれても大したものがなく、また、盗む方も危険を冒してまでの報酬がなければ、割合が合わない。

 大事なのは物品ではなく、危害を加えられることだが、人から恨まれていなければ、その危険もない。

 それらは、小集落の村世界での話で、現実の村も、都会化しており、見知らぬ人が行き交う場所になっている。

 身元の知れぬ人と住む場所では、お互いが異人、異境の人となり、何をするか分からない存在となっている。

 世の中が開けることは良いことだが、その反面、背負うリスクも多くなっている。

 

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