川崎フォトエッセイ  その1401 見通し       HOME

 市街地のチマチマした場所に住んでいると、見晴らしの良い場所に出ると、視力がおかしくなるほど、遠近感が違う。

 真っ直ぐに伸びた道は多いが、左右への広がりがないため、廊下のように見える。

 町の密度は、それなりに落ち着けるのだが、空が低く見える。

 昔は空が高かったように思えるのは、遮るものが少なかったためだろう。

 単純な風景が続き、何もないような場所は、退屈かもしれないが、情報が書き込まれた風景ばかり見ていると、何もなさ具合が快いことがある。

 しかし、山の中から、里の町に降りてきて、ごちゃごちゃとした街中にはいると、ほっとすることもあるので、人の感覚は勝手なものだ。

 市街地に、何もない場所が広がっていると、逆に恐いかもしれない。近くに人がいないためだろう。

 市街地は大きな建物が壁のように立ちはだかることで、見通しを悪くしているのだが、互いに見られていることにもなる。

 

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