川崎フォトエッセイ  その1445 鉄路       HOME

 新しくできる道路は多いが、鉄路は減る一方だ。採算が合わず、赤字路線になると、殆どボランティアのようなサービスをしているような感じとなるが、利用者にとっては料金を払っているのだから、無料で乗っているという気持ちはない。

 都心部に張り巡らせていた路面電車やトロリーバスも殆どなくなり、バスや地下鉄に置き換えられている。

 あまり利用者のいない地下鉄の中は、機能だけを引き出した風景のため、何かの情報が欠けている。

 それは場所との一体感だろうか。

 町の全体があり、その中に駅がある。地下鉄では駅の中に潜ると、駅しかない世界となる。

 欠けている情報は、周囲の様子だ。

 人が歩き、建物に灯がともっていたり、空模様が見えたりなどの周辺情報だ。

 景色が見えないので退屈だと言うことだけではない。

 

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