川崎フォトエッセイ  その1472 果てる      HOME

 絶滅寸前の動植物は保護される。

 しかし、社会的に果てようとしている人間に対しては非情だ。

 相手が人間なので可愛くも、惜しくもないのだろう。

 保護する側も保護される側も同じ人間の場合、また同じ民族である場合、その事情に思い当たることが多くあるため、それに対する同情よりも、失敗した人間に対しての優越感が立つのだろうか。

 自分より貧しい人を見るとほっとするのが本音だろう。

 極端にひどい状態になっていない自分は、それなりに努力し、それなりにやってきたのであり、失敗する側は、やり方が悪かったと見るのだろうか。

 つまり、同情よりも、相手の怠慢さや、努力不足などをとがめる感情になるのかもしれない。

 まともにやってきた人でも、ドロップアウトする可能性が高い。その可能性が見えたとき、自ら命を絶つ人もいるだろう。

 しかし、生きていれば、何とかなる。

 

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