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デジ式とは、デジタル処理一般の意


■松下電器産業 パナソニック LUMIX DMC-FZ1

 光学12倍ズームで、しかも手振れ補正付き。そしてコンパクトボディ。これだけでも十分美味しいカメラだ。特に望遠レンズの好きな人にはたまらないスペックだろう。
 
 このカメラの先駆者はオリンパスのウルトラズームだ。コンパクトカメラのサイズで超望遠レンズを乗せていた。
 
 しかし、望遠撮影の好きな人なら分かることだが、望遠の天敵はブレにある。ファインダーを覗いているだけで、もうシャッターを押す瞬間ブレているのがまるわかりなのだ。ところが、光学式手振れ補正なら、振動を鉛の海のように鎮めてくれる。画面がぴたりと止まることもある。
 
 オリンパスのウルトラズームに、この手振れ補正がついおれば、頼もしい保険になるのだが、オリンパスは付けなかった。その上位機種には付いているが、キヤノン製らしい。コンパクトカメラタイプでは、部品がなかったのかもしれない。

 LUMIX DMC-FZ1は、恐ろしいばかりの小さいボディーにそれを組み込んでいるが、よく見ると、レンズの直径は巨大なものである。だが、円筒形をしており、レンズらしい鏡胴だ。
 
 このレンズ、恐ろしいことに35ミリフィルムカメラ換算で35ミリから420ミリのズームレンズを搭載しているのだ。ライバルのオリンパスは、画素数を上げたため、ズーム比を押さえているのに比べと、大人しい感じに見えてしまう。
 
 ズーム倍率を増やす時、広角側を38ミリとか40ミリから立ち上げるのが普通なのだが、きっちりと35ミリは確保しているのは凄い。決して望遠専用レンズではないのだ。
 
 しかも広角側での最短撮影距離は30センチ。マクロで5センチまで寄れるのは流石だ。つまり、広角接写などが可能で、広角レンズとしての機能は失われていない。通常の一眼レフカメラでは5センチまで寄れないし、また、高倍率ズームレンズなどは1メートルを超えても文句は言えない。
 
 DMC-FZ1のスタイルは、一口で言えば、超コンパクト一眼レフだ。そこには距離計連動カメラのライカのイメージは殆どない。しかし、ストロボがちょうどペンタ部のように膨らんでおり、その形が何処かライカR(ライカの一眼レフカメラ)を彷彿させる。実際には蝉の抜け殻のように軽いカメラなので、一眼レフの重みはない。
 
 天国に行ったライカかもしれない。
 
 そのスタイルが一眼レフだというのは、持ち方にある。それは、レンズの直径が大きいので、レンズを掴めるのだ。当然レンズ部には操作部は何もないため、単にホールディング用となるが、左手でレンズを握って持ち運べる感じは、一眼レフと同じ感覚なのである。

 さらに、巨大で実用性の高いフードを付けた時は、どう見ても一眼レフだ。レンズ部には操作部がないため、ピントリンクやズームリンクや、絞りリンクとかを触る必要がない。
 
 この小さなボディーをどうして持つのかと、展示品を見ながら思ったのだが、左手でレンズを持てばよいのである。
 
 右手側は、当然グリップがあるが、小指がはみ出すほど背が低い。しかし、特記すべきはメモリカードや電池室のカバー位置だ。カメラを構えた時、グリップを握り、親指がボディ背面の肩に当たる。この箇所にメモリカードなどの蓋があるカメラは、結構気になるのだ。下手をするとパカンと開く。DMC-FZ1は、そこを避けて、バッテリーとメモリカードはボディーの底の同じ穴に詰め込んでいる。グリップ周辺に小さなカバーはあるが、不用意に動くような感じではない。
 
 建て付けのよいカメラで、ぐっと握っても、軋みもしないし、パカパカと蓋が開くようなこともない。しっかりとした塊となっているのだ。
 
 カメラが小さいくせに、一人前に金属製のストラップ釣り具が付いている。しかも特記すべきはそのストラップ側の金具で、非常に納まりの良い仕掛けになっている。この留め具を作った人に敬意を表したい。意外とストラップや留め金や、余った紐がもつれたり、指に絡んだりして気になるものなのだ。それが、止め金具と樹脂で、ぱちりと収まるようになっている。
 
 ストラップは肩や首にかける。撮影中の移動は、鏡胴を握ればよい。また、荷物とかを持っていると手が塞がるので、ストラップは必要である。カメラが小さいとはいえ、胸のポケットに収まる形ではない。
 
 さて、実際の撮影スペックだが、これはとんでもないイージス艦だ。一見コンパクトカメラなのだが、書き込みスピードは非常に速く、普通の一眼レフの感覚で、パシャパシャ写せる。もう、デジカメは書き込みが遅いとかは感覚的には解消されている。
 
 400ミリを超えると、もう、肉眼では見えないような遠距離を捉えることが出来、それを素早く射落とすことが出来る。流石にイージス艦のように複数の敵を同時にとまではいかないが、恐ろしい潜在力を持つカメラだ。
 
 ファインダーの像倍率は低く、見た感じとしては小さいのだが、電子ファインダーにありがちなざらつきが逆に目立たないので、被写体を綺麗に捉えることが出来る。これは気分的には悪くはない。ちょっとしたアクションファインダーで、多少目を離していても、四隅まで見ることが出来る。これは眼鏡を掛けている人には重宝するだろう。
 
 マクロボタンはなく、ダイヤル操作で切り替える。軍艦部に、従来カメラのシャッターダイヤル位置に割り当てられているのは好感が持てる。マクロに入ったまま、次回起動時、それを記憶しており、そのまま知らずに遠方をマクロモードで写していたという危険な状態を回避出来る。つまりダイヤル位置を見れば、分かるからだ。
 
 アーサー感度は400までで、流石にそれ以上増感すると、荒れるためか、800はない。アーサー感度は自動で、上がったり下がったりする。400しかないというものの、手振れ補正機能で感度アップでシャッタースピードを上げるという苦しいことをしなくても済む。シャッターは2段ほど早く切ったのと同程度のブレ押さえになるらしいが、蛍光灯の普通の室内で、壁に掛けてある時計を420ミリ側で撮影しても、映ってしまうのだから、手振れ補正効果はスペック以上の効果はある。通常のカメラでは200ミリ当たりで写しても、ボケボケになる。
 
 もう一つ驚くべきことは、420ミリ側でもF値は変わらないことだ。つまりf2.8の明るさをキープしてくれる。このあたりは、スチールカメラメーカーにはない、ビデオカメラメーカーのレンズ作りの妙味が活かされているのかもしれない。
 
 レンズには巨大な花形フードが付属している。広角側を意識してか、けられないような花が咲いている。

 このフードを付けるには、レンズ側に最初から付いているメタル性のリンクを外す。レンズに一部かと思っていたのだが、回すとはずれるのだ。それにより、ネジ経が露出され、そこにフードを付けるための、もう一つのリンクをねじ込む。このリンクは樹脂製で、そこに填め込むフード本体も樹脂製だ。この二つの部品で事実上長いフードが出来る。
 
 この状態で見た場合、どう見ても一眼レフカメラのレンズに見えてしまう。そう見える印象の秘密はレンズ鏡胴の太さだろう。ボディーの板にちくわのような、天狗の鼻のようなレンズが出ているようなコンパクトカメラにありがちなズームレンズではなく、ボディー正面の高さに匹敵する直径のレンズのため、35ミリ一眼レフと同じ形になるのだ。
 
 メインスイッチを入れると、多少レンズは飛び出るが、その後のズーム操作やピント操作でレンズの長さが変わることはない。
 
 また、メインスイッチが独立したスライド式となっており、ダイヤルを回したり、レバーを回したりの操作よりも、明快である。さらに背面にあるこのスライド式スイッチの横にLEDがあり、電源が入っていることを知らせてくれる。
 
 このカメラは一眼レフタイプのライカRなのだ。従来のLUMIXカメラとの違いは、ここではっきりとしている。結局は35ミリから420ミリまでのズームビューファインダーを作るのは難しいため、液晶モニターをアイレベルにしただけなのだが、それでも、そのファインダーは応答も早く、ピントも確認出来るので、本来の意味での一眼レフカメラと同程度、またはそれ以上に見えやすい。
 
 銀板時代の一眼レフは暗いレンズだとピントの山が分かりにくくなるし、また、磨りガラスのザラメとかが出てしまい、結局快適な見え方のするf1.4とかの明るいレンズでないと、ファインダーの美しさは味わえなかったのだが、液晶ファインダーは、それらを解決している。
 
 軍艦部の、従来一眼レフカメラのシャッターダイヤル位置に撮影モードダイヤルがあり、それを回すことで、素早くアクセス出来る。
 
 このカメラを買った状態ではそのダイヤル位置は一般撮影用となっている。他に、ハートマークのお任せモードがある。
 
 一般撮影モードよりお任せモードのほうが使いやすい面がある。例えばマクロ切り替えはお任せモードでは必要はない。最短撮影距離30センチは、気が付かないままマクロ域に入っていたと言うほど長いものではないが、それ以上寄ると合焦しなくなるが、お任せモードではマクロ撮影と同じ5センチまで寄れる。お任せだけあって、気にしなくても撮影出来る。
 
 お任せモードの設定と、他の撮影モードでの設定は、別々に記憶されるため、撮影目的により、使い分けることが出来る。この切り替えが、従来カメラのシャッターダイヤルと同じ形をしているため、回すのが楽しい。さらにこのダイヤルの感触は非常によい。
 
 シャッター半押しで、AEとAFがロックされる、一般的な設定だが、シャッターボタン半押しでAEだけのロックになるモードも選択出来る。この場合、AFは、別のボタンでスタートさせる。そのボタンを押すと、AF(ピント、距離)だけをロックさせることが出来るため、置きピンなどで使える。同じピント位置で、別の露出にロックさせて写すと言うことも出来る。
 
 AFスピードは、レスポンスも良く、待たされると言うことはない。全体的にきびきびと動き、しかもモータ作動音などは非常に低速で、いやなジージーという音もない。超高級コンパクトカメラ並みの外観や質感があり、その上、デジカメ全体から見ても、420ミリまでの光学ズームと、手振れ補正という、かくてないような攻撃力を持つカメラなので、おしゃれな超高級コンパクトカメラという甘さはない。
 
 電源は専用バッテリーで、非常に小さいが、長持ちする。液晶を使っても200枚は写せる。専用バッテリーの欠点は旅行先でバッテリーが落ちた時、コンビニで電池を買って…ということが出来ないことだ。
 
 しかし、充電式の電池の場合、充電したつもりでも、上手く充電出来ないこともある。それに比べると専用バッテリーのほうが、安全かもしれないし、また軽く小さいため、予備のバッテリーもかさばらない。
 
 充電器もコンパクトで、旅先なら、それを持っていける軽さと大きさだ。200枚といえば、24枚撮りフィルム、10本分近い枚数で、普通の人は、そんな枚数を写すのは苦労するというか、写すものがないだろう。一日撮影しても、フィルム数本で、十分だと思える。
 
 デジカメもよくぞここまで進化したものだと思う。デジカメの欠点だった動作の遅さがDMC-FZ1にはなく、通常の一眼レフカメラと同じ感覚で、写せるようになったのだ。
 
 その遠い昔、オリンパスはOMというライカMのサイズを意識した、小型一眼レフを作った。その後、それを超える小ささ軽さの一眼レフは出たが、それ以上小さく、そして軽くならなかった。(ペンタックスのポケットカメラフィルムによる一眼レフは例外)
 
 そして、デジカメ時代になり、ちょうど良い大きさになり、しかも、DMC-FZ1ではライカレンズまで乗ってしまう時代になったのだ。これはまさに夢のような話なのである。
 
 DMC-FZ1は、如何にも一眼レフカメラらしいデザインなのだが、その小振りな塊は、宝石のように美しい。35ミリ一眼レフが、合成樹脂のカメラとなり、その質感を失い、機能一点張りに走ったため、メタルカメラ回帰現象がその後起こった。メタルカメラの逆襲だ。
 
 銀梨地の輝きを新素材メタルでDMC-FZ1は見事に復活させている。
 
 デジカメも超高級コンパクトデジカメからメタルの質感を取り戻したのだが、DMC-FZ1のそれはデジカメらしくない普通の一眼レフカメラの形をしたメタルカメラであるところに旨味がある。そして、大きな一眼レフカメラではなく、程良い小振りのメタルであるところがよい。戦艦大和ではなく、イージス艦なのだ。
 
 日常の中で、また、観光先や旅先での護衛艦として最新鋭のイージス艦を持ち歩くのは気分が良いはずだ。
 
 DMC-FZ1は一眼レフスタイルを模しているが、35ミリ一眼レフカメラでは接眼窓がどうしてもペンタプリズムの裏側に来てしまう。つまりカメラの真ん中当たりに来てしまう。ところがDMC-FZ1は電子ファインダーなので、ライカMと同じ背面の左上肩に置くことが出来る。そのため、レンジファインダーカメラと同じ位置になり、非常に覗きやすくなる。この位置に接眼窓があるのは、ライカMへの拘りだろう。そこまで一眼レフを模す必要はないのだから。
 
 右目でファインダーを覗く人なら、両目を開ければ、左目で実物を、右目でファインダーを見ることが出来る。これがライカの使い方なのだ。
 
 記録カードはSDメモリで、メモリは統一したい人には、ここで引っかかるようだが、数年前に買った16メガとかのカードは、今ではそれほど大きいとは思えなくなっている。また、安くなったため、128メガとかが手軽な値段で手に入る。どの種類のカードが、書き込む速度が速いとかは、ここでは追求出来ないが、メモリ容量が大きいほど、書き込みスピードは速いのではないかと思える。
 
 SDカードはデジタルビデオカメラ(ソニー以外)で、普及しており、ビデオカメラとスチールカメラを両方持ってウロウロする時には都合がよいかもしれない。また、パソコンへの取り込みも、XPなら、ドライバをインストールすることなしに、USBから取り込める。この種のメモリカードを一台で全部取り込める商品も安い値段で売られているので、メモリカードの種類は、それほどネックにはならないだろう。
 
 僕としては外出先でノート側で見たいので、SDカードを履かせる下駄を買っている。DMC-FZ1は、そう言う投資の必要はなく、カメラとパソコンをUSBで直結して、取り込める。
 
 さて、実際の撮影だが、これは非常に楽しいカメラだ。胸にぶら下げ、自転車に乗り、そのあたりを撮影したのだが、非常に軽快である。
 
 この小ささで、420ミリの望遠撮影は流石に凄いものがある。今までは、このサイズのカメラだと、望遠付きデジカメも持ってくればよかったのに、と、思うだけで、写せないまま、遠方を見ていたのだが、もうこれからは、一台のコンパクトなカメラで、写せるようになったのだ。しかも手振れ自動補正で、ファインダーの揺れが押さえられ、怖いほど超望遠撮影を気楽に出来るのだ。
 
 遙か彼方の、豆粒のようになってしまった自転車の後ろ姿も、ぐっとズームインすれば、捉えることが出来る。しかも、そのズームスピードは高速で、レスポンスも非常によい。
 また、メインスイッチからの立ち上がりも、待たされることはなく、スイッチを入れてからファインダーを見るともう撮影出来る状態にあるのだ。
 
 そして、広角レンズ側での接写も、一気にやってしまえるのだから、撮影での満足度は非常に高い。
 
 不満な点もないわけではない。最短撮影距離は満足を得るもので、お任せモードではマクロ切り替えさえ必要でないのは、非常に優れている。だが、無限距離へ強引に持ち込むマニュアルやマークがない。望遠では20メートルを超えることが多く、最初から無限での撮影になることが多いので、AFを使わない無限ボタンが欲しかった。
 
 しかし、ファインダーを覗くと、確かに遠方にピントが合っているのが分かるため、面倒な無限ボタンや、風景撮影モードとかは、敢えて必要ではないのかもしれない。多モードカメラほど、単機能でしか使わないことを思えば、機能を単純化するほうが精神衛生上よいだろう。カメラがますますデジタル化し、操作体系もブラックボックス化しやすいのだから、マニュアルを見なければ意味が分からない機能は、ない方がさっぱりしている。
 
 マニュアルを見て、操作が分かったとしても、しばらくすると、そこへアクセスする方向が分からなくなる。結局それで面倒になり、オートで撮影することになることが多いのだから、オート撮影の充実度が好ましい。付いているだけでは使えないのだ。
 
 このカメラの良さは、お任せモードというハートマークのダイヤル位置があることだ。これは、旅行先などで、見知らぬ人にカメラを渡し、写してもらう時など重宝するだろう。AFは追従式となり、シャッター半押しのAEロックやAFロックなどを知らない相手にも十分写せる。
 
 digitalは一眼レフを模しているが、シャッターが切れた瞬間、疑似ミラー音や疑似ミラーの跳ね上げ像は出ない。
 
 ライカを使う理由は、ミラーによる像の一時喪失や、ミラーショックを気にする人だろう。ライカ愛好家にとって、それは見たくないものだ。ミラーのばたつき、瞬きは、機能上仕方なく、そうなるだけで、誰もそれは望んでいないのだ。ミラーショックや、タイムラグが出るのを誰も喜ばない。
 
 それでいて、DMC-FZ1は、一眼レフなのである。だが、ミラーやプリズムのない一眼レフなのである。これは、この時代の大きな成果だろう。

 AFは通常以上に素早く、しかもそこからシャッターを押して実際に切り取られるまでのタイムラグは非常に短い。動いたものを写した場合、シャッターを切った時とほぼ同じ位置で切り取られる。これは人物の表情や、走る去る自転車などでは、間に合わないことが多いため、タイムラグは短い方がよい。
 
 AFスピードとタイムラグが早いカメラは他にもあるが、DMC-FZ1の良さは、その後の書き込みスピードにある。瞬間を切り取るよりも、その後の数枚にかなり良いものがあるのだ。また、失敗した後、シャッターを押し直すことも多い。
 
 digitalは一枚撮りでも十分以上の書き込みスピードを持っている。当然連写モードもあるので、連写の楽しみも得られる。このときの連写はAFもAEも、最初の一枚目のものが引き継がれるため、AFやAEは固定される。そのため、近づいてくる自転車を連写する場合、置きピン状態となるため、細かく言えば、手前に近づくほどピントははずれるのだが、デジカメの深度は非常に深く、それほど神経を使う必要はない。ピント深度は絞りで決まるのだが、デジカメのレンズは魚眼レンズのように深度が深いため、十分深度内に入るはずだ。
 
 例えば、420ミリ撮影では、超望遠だけに非常にピントは浅くなる。しかし、昼間の絞り気味での露出では20メートル先と無限のピントは、違っていても、深度内に入るだろう。これはデジカメのレンズの欠点でもあり長所でもある。
 
 DMC-FZ1には連写モードの時、AFも追従する選択枝はない。このモードはAFを合わせ直そうとするため、連写スピードが落ちるどころか、AFが合わないと、シャッターが切れないか、切れてもとんでもないところにピントが誤操作しているだろう。その意味で、連写はピント固定でよいのだ。
 
 色目に関しては、自動でよいのだが、どうしても曇り空や日陰では青みがかかってしまう。そこはマニュアル的に光源を選択するのだが、通常は自動的に切り替えてくれる。それでも気に入らないのなら、青みと赤みに関してのモードがDMC-FZ1にある。このモードは、なりふり構わずフィルターをかける機能で、赤っぽく写すモードと青っぽく写すモードである。いずれもフォトレタッチソフトで後で修正すれば同じ結果になるかもしれない。
 
 DMC-FZ1は200万画素で、受光素子が二分の一タイプの大きなものではない。原色系なのだが、今では補色系との違いを見つけるほうが難しいかもしれない。富士が独自な受光素子を使い、下駄を履かせていたように、松下もヴィーナス画質という曖昧な表現で、似たような下駄を履いているので、何らかのプラスアルファーとなるだろう。これは解像力に貢献するらしいが、200万画素あれば、殆ど問題はないと思える。それが35万画素のカメラだと、画素数が問題で、買う気がしないとかになるだろうが、150万画素以上あれば、深刻な問題にはならないと思える。
 
 ライカレンズに解像力やコントラストなどを、必要以上に期待するよりも、ピントが合った時の立体感などのほうが明らかに映像としての旨味がある。
 
 松下電器が、ここまで敷居下げてくれ、スペック以上に安い値段で、売り出してくれたことに、感動さえ覚える。



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