川崎フォトエッセイ  その130  背負い鞄    ←前 次→  HOME


 リュックサックは山登りの時にしか背負わなかったように思うのだが、かなり前から町中で見かけるようになった。

 手提げ鞄だと片手がふさがってしまう。肩に掛けるショルダーバックだと両手が使えるが、何かの拍子で肩から外れることがある。その点、背負い鞄は安心して両手を使える。

 背負い鞄を見かけるようになった初期の頃は、さすがに背負うのが恥ずかしいのか、肩に引っかけている人が多かった。最近では堂々と背負うようになったが、これが曲者で、電車のなかや本屋さんなどで、ぶつかってしまうのである。

 背中に眼がないため、後ろの人に当たっていても気づかいのだろう。人混みとは無縁な山の中で使う鞄を、人混みのなかで使うのだから、配慮が必要だ。

 町中に出ると、そういう細かいパンチをもらう。苦情を言うほどのネタでもないだけに、この種のストレスは溜まると怖い。