川崎フォトエッセイ  その192  番犬    ←前 →次  HOME

 飼い主が、いくら「大人しい犬」だと説明してくれても、犬は何をするか分からない。路上で犬と遭遇したとき、噛みつかれないかと恐れてしまう。噛みつく犬かどうかの判断は、飼い主には分からない。

 犬も人間を見て判断する。しかし、わかりにくい場合、犬も迷うだろう。吠えるべきか、懐くべきか、決めかねているときの、中途半端な犬の表情が、妙に人間っぽい。

 猫は危なそうな人間が寄ってきたとき、抵抗しないで逃げる。子猫がいる場合は別だろうが、滅多に人に噛みつかないし引っ掻かない。むしろ、飼い主のほうが被害を被る方だ。

 犬は番犬という仕事をそれなりにやる習性があるのか、玄関口で見張っている。でも、一日中警備をやるのも疲れるのか、デレーと寝そべっている場合もある。そして吠えなければいけない人間が寄ってきても、たまにさぼることがある。犬も面倒臭い日があるのだろう。