川崎フォトエッセイ  その194  魔除け    ←前 →次  HOME

 魔除けアイテムは、人間をかたどったものよりも、動物や、想像上の獣が使われることが多い。人型は、結局は神仏になるため、屋外に晒すのは、いまひとつ遠慮があるのだろう。

 鬼瓦のように、外部に対しての威嚇性は、人型にはない。人間の顔をしているため、話せば何とかなるような感じがある。獣なら、問答無用で威嚇するだろう。

 その性質は番犬と通じるところがあり、人は騙せても、犬は邪悪なものを見抜く力があるのか、危ない人間や邪霊を寄せ付けない。

 しかし、飼い主でも、妙な格好をしていると、吠えられるが……。その意味で、獣の監視は機械的かもしれない。

 昔の人は、人知を越えた存在を信じていたようだ。悪霊とか邪霊とか祟り神とか、目に見えないが、存在していると思っていたようだ。

 まあ、平たくいえば、わけの分からないもにに対しては、わけの分からないもので対処するということだろうか。