川崎フォトエッセイ  その219  夫婦善哉    ←前 →次  HOME

 法善寺横町の「水かけ不動」と言っても、何のことか分からない人が多い。懐メロで「月の法善寺横町」を聞くと、このあたりの情景がよく分かるのだが、その歌さえ知らない人が多い。

 同じように、僕も聞いたことのない観光名所の前を通っても、縁起や状況が分からないので、漠然と形を見ているだけになる。

 たとえば、誰それの屋敷跡とか生家跡などは、その有名人に通じていなければ、思い描く楽しさもない。目の前の石碑の形や大きさからは、なかなか具体的なイメージは浮かび上がらない。

 しかし、知っている人たちにとっては、そこは熱い場所となる。その物語を知っていると、知らないとでは、接し方が違うのだ。

「夫婦善哉」も、有名な小説で、映画化されているのだが、その小説本を本屋さんで探すのは容易ではない。