川崎フォトエッセイ  その225  お百度参り    ←前 →次  HOME

 近所の神社巡りをしていると、お百度石を見かけることがある。お百度参りで有名な神社でない限り、その行為をしている人を見かけることは少ない。
 家から神社までの距離を百回往復するよりも、お百度石から神殿までの距離を往復するほうが短くてすむ。
 家から神社までの道中は、普通の道だが、お百度石から神殿までは境内にあるため、聖域内を歩くため、集中して願い事を念じられるようだ。
 正座でものを念じるよりも、徒歩中に念じるほうが、念じやすい。ある程度身体を動かしているほうが「精神集中初心者」に向いていているようだ。つまり庶民的なのだ。
 お百度参りをして、念が通じるわけではないし、オカルト的に願いが達成されるわけではない。だが、この行為を実行することによって、願い事への心づもりが強化される。また、たとえ願いが成就されなかった場合でも、最後の神頼みまで実行したのだから……ということで、悔いが残らないように思える。