川崎フォトエッセイ  その260  日と水    ←前 →次  HOME

 日と水は天然の素材で、この二つが織りなす世界は、見ていて飽きない。水は風によって波立つ。そのときの風力が水面に与える影響パターンは、予測できない。

 そこに、この光を受けると、きらきらと反射し、そのきらめきは宝石に値する。まあ、それらを見ていると、絵画や写真などは、今ひとつイキが悪い。それは当然なことで、それを見ている視野や空間まで、作品化できないからだ。

 たとえば、ビルの谷間に沈む太陽とかは、目のピントは無限になっている。絵画や映画では、無限にはならない。小さな写真など数十センチ先にピントが来てしまう。さらに、360度の中の、ほんの一部を見ていても、その周囲まで含まれる。もっと言えば、そんなものを見る気がない状態で、見てしまうため、驚きも大きい。

 日常の中で、ふとその種の自然が織りなすアートを見たとき、それはパッケージ化されていないため、持ち帰ることもできない。