川崎フォトエッセイ  その297  好奇心権    ←前 →次  HOME


 世の中には得体の知れないものが、方々にある。まあ、それはこちらが知らないだけのことで、聞けば「ああなるほど」と納得できることが多い。

 しかし、聞かなくてもおおよその察しが付くものもある。周囲の状態や、前後の状態から判断して、分かったような気になるのだ。

 それほど重要なものではない限り、それ以上の詮索はしない。「好奇心」と言うものも、何に対しても興味を抱けるというわけではないようだ。「好奇心旺盛な人」ほど、ほんとうに興味を抱いたり、気にしなければいけないことには目を反らすこともあるだろう。逆に何に対しても無感動な人ほど、強引に「好奇心権」を発動させることもある。

 人の主観は分からないと言うのが正直な感想だ。主観となって具体化する前の気持ちを掴まないと、単に好き嫌いだけで、好奇心となって現れるとは限らない。