川崎フォトエッセイ  その360  野良猫    ←前 →次  HOME

 野良猫と言っても、野で生活しているわけではない。野原ではエサになるものは少ないだろう。それだけでは食べていけないはずだ。

 人間の住む街のほうがエサが多い。生ゴミのビニール袋を破って、残飯を漁る猫も多いが、もっと効率のいいのは、野良の身分のまま人からエサを貰うことだ。猫好きな人は町内にたくさんいるはずだ。

 そう言う人の家を回れば、野良猫でも食べていくことができるが、猫としても、それなりの営業努力をしないといけない。つまり外回りのうまいキャラの猫でないと、お得意さんは作れない。当然ライバルもいるだろうから、仕事としては大変だ。

 まあ、街も清潔になり、道に食べ物が簡単に落ちているわけではない。だから、漠然とした野良猫は餓死するだろう。従って、生きている野良猫は、毎日仕事をしている猫と言うことになる。働いている猫なのだ。