川崎フォトエッセイ  その361  会話    ←前 →次  HOME

 人と話すとき、二人と三人とでは、話し方や話す内容も違ってくる。二人だけが共有している言葉などは、三人の場合には使えないし、暗黙の了解も通じない。

 一番守備範囲が広いのは、自分自身との会話だろう。そこには仮想的な相手がおり、今、脳裏にある事柄に絡んでくる相手を呼び出せるからだ。自分の中にいる他者と会話するわけだが、これは実在の他者ではないため、普通の意味での会話とは言えない。つまり現実の会話ではない。

 三人以上になると、共通するネタがさらに狭くなる。さらに、誰に対して語っているのかが曖昧になるが、通常は特定の誰かに対して問いかけたりする。そのラリーに他の人が突っ込みを入れることにより、二人ではそれ以上展開しない局面などに導かれることもある。

 三人以上の会話の後、特定の相手と帰るとき、その集まりについての感想とかを語り合うこともある。