川崎フォトエッセイ  その377  アナログ時計    ←前 →次  HOME

 アナログ式の時計盤は、見た瞬間時間がわかる。それを言葉にして確認することもあるが、それ以前に目で理解している。実際には認識するタイミングが速いということだろうか。認知パターンのようなものが、既にできていて、演算が速いのかもしれない。

 数字だけを表示させるデジタル式時計盤のほうが、ダイレクトに数値を得ることができるので、読みとる手間がいらないように思えるが、いきなり数字が入ってきても、ピンとこないときがある。

 デジタル表示の場合、生活時間帯の中で、時間が過ぎていくという全体量が把握できないので、大げさだが過去や未来への見通しが悪いため、「今何時?」の、今しか見えないので、窮屈なのかもしれない。

 また、僕の世代は、アナログ式の時計盤を見て育ったためか、慣れの問題もある。それと、針の角度を見ながら、数時間単位での過去や未来について、少し振り返ったり、ものを考えることもできる。これはアナログのメリットだろう。今の時間だけを見ているわけではないのだ。