川崎フォトエッセイ  その458 仕切る       HOME

 同じ空間を仕切るにしても、仕切方によって雰囲気が違ってくる。そうかといって周囲と不釣り合いな仕切方をすると、仕切そのものが浮いてしまうし、仕切った人間の思惑がモロに露出してしまう。
 違和感は、周囲との関係で発生する。そのため、任意の仕切方をしたくても、実行できないこともある。

 室内は壁などで仕切られている。どんな仕切方をやろうと、空間の値は変わらない。天井までの高さが等しい5メートル四方の空間は、仕切方とは関係なく、広さは同じである。

 仕切方は時代によって違ってくる。時代感覚にマッチした仕切方が考案されるためだ。その仕切りに慣れやすいのは、同時代の空間を共有しているためだろう。

 仕切直すことで、やっと現代と同調できる人もいるし、仕切方などに頓着しないで、仕切内の空間で現代をやっている人もいる。