川崎フォトエッセイ  その489  集う      HOME

 都心部では広場や公園とかで人が集うよりも、駅のホームに群がることが多い。これは決して集まるのではなく、通り道なのだが、多くの人と接するという意味では、こちらのほうが現実的である。

 通勤通学途中での人々の流れは、本来の意味での人と人との接触ではないが、ラッシュのときなどは文字通り身体と身体が接触し合う。

 都心部の人間に限らず、現代人は何かと忙しい。集うための集いよりも、何かの過程での集まりのほうが現実的である。

 駅周辺での人の群は日常化している。毎日が集いなのだ。集うことは、多数の視線を受けていることでもあり、社会の中に出ているということでもある。

 残念ながら、駅での出会いとかはほとんどない。偶然人が集まっているだけなので、目的は出会いではないし、接触ではない。

 しかし、そこで多数の人々に自分の姿をさらすのは、ある意味で都会的な行事でもある。