川崎フォトエッセイ  その502  荷台      HOME

 自転車の二人乗りをしているのを見かける。自転車の後ろの荷台には大人が一人乗っても大丈夫なほど重いものを積むことができるようだ。

 荷台のない自転車がある。純粋に走るためのサイクリング車などだ。それでも長距離になると、荷物を背追うよりも荷台に積んだほうが楽である。

 自転車の持つ実用性はそのまま日常性と繋がる。伊達で乗るのではなく、必要だから乗る感じで、乗る楽しさを味わうレベルではない。自転車に乗る面白さは確かにあるが、それはいつもではないはずだ。

 いつも徒歩の場合、たまに自転車で、同じ道を走るとき、気持ちよさを感じる。歩くよりも確実に早いし、荷物があった場合さらに快適さを味わえる。

 自転車は自分の足の力がそのまま路面に反応する。これは歩いているわけではないし、だいいち座っているのだから、不思議な感じがする。荷物を座ったまま運んでくれるというのは、江戸時代などから見れば、天国だろう。