川崎フォトエッセイ  その503  不調和音      HOME

 違和感のあるものが、日常の中に入り込んでいると、拒絶したくなることがある。そんなとき、何らかの関連づけをして取り込んでしまうことがある。

 昔の物も、今の物で置き換えることができるし、その逆も可能だ。置き換え作業は非常に主観的であり、確実なものではないものの、物ではなく、その物の機能とかで関連づけることができる。

 違和感や不調和音は刺激物で、それを好まない日常空間では、できるだけ溶け込ませるような見方を仕掛けるようだ。

 今は常に進行し、少し古くなった物も違和感が発生するが、パターン化された古さは、今の中に取り込まれやすいため「古さのある今」として、今の物として取り扱われる。

 たとえば人力車と荷台付き自転車とは異なるが、全く違うジャンルの物ではないだけに、置き換えが比較的しやすい。そのため、古い塀と自転車はミスマッチから回避されることもある。