川崎フォトエッセイ  その516  歩き方      HOME

 ただ単に歩いているだけでも幸せな感じのするときがある。今まで何らかのトラブルで歩行も困難だった状態だったとか、病気で寝込んでいて、やっと起きあがって外出できたとかだ。

 身体的な原因とは別に、精神的なことで、歩いているだけでも楽しいときがある。それは、明るいビジョンが開きかけているときとかだ。また、危機状態から脱出でき、普通に戻れたときもそうだ。

 歩く行為は同じでも、その先に嫌なことがあるのと、楽しいことがあるのとでは歩調の重さが違う。

 歩いているとき、ふと、その歩調を観察してみると、今の状態がわかるような気がする。急ぎ足だったり、怠慢な歩き方だったりする。

 気分的なことが身体に現れるが、人の目から見れば、それほど変化しているようには思えない。極僅かな違いは、本人にしかわからない。