川崎フォトエッセイ  その517  幻想話      HOME

 二人での会話と三人での会話とでは話す世界も違ってくる。ネタは同じでも言い回し方が異なるのだ。

 ある話をする以前に、その話を聞く二人についての予備知識があり、どちらか向けの話になっていることが分かってくると、片方の人はその場ではつきあいで聞いていることになることがわかる。

 つきあいで聞いている人にとってはその場は休憩できるので重宝かもしれない。しかし、その第三の聞き手の影響で、突っ込んだ話ができないことも多い。

 共同幻想は、個人的な関係では了解しやすいが、集団幻想になると、もうほとんど社会的によくある風景となり、当たり前の幻想になってしまう。

 二人の関係においても、その共同幻想は崩れやすく、また、個人幻想も、自爆するように崩れやすいものだ。

 人はどんな幻想を抱いているのかは、実際は把握できない。それが幻想というものか。