川崎フォトエッセイ  その519  お喋り      HOME

 人は会話することによって自分の存在を確認し合っているような節がある。別に生きていく上で必ずしも必要な行為ではない会話がある。

 親しい人との語らいのひとときは、語る内容よりも、語り合う行為の方に充実感があるのかもしれない。当然「親しい人」がいなければ会話もできない。

 語らいの時間を持つことも、重要で、そういう環境を持っていることが既に価値としてある。

 生きていく上での最小限の会話ではない世界を持つことは、その人の豊かさでもある。ただそれに慣れてしまうと、人と会うのが面倒くさくなったりするものだ。今度は語り合う行為そのものではなく、話題の面白さとかに興味が行く。

 さらに相手に対しての好奇心が、まだ残っていることも大事だ。しかし、それがなくても、人はお喋りをしたいときがあり、喋りやすい相手なら、それで満足することもある。