川崎フォトエッセイ  その529  場違い      HOME

 空間を共有していても、違う場の中にいることがある。尤も人の頭の中での場は、覗けないだけに、同じ場の中にいても共有しているかどうかは怪しい。

 場はステージで、ステージの出し物は切り替えられる。映画館という場も、上映されている映画によって共有されるものが違ってくる。

 場には違和感があり、共通する関係の中にいるほど違いが目立つことがある。最初から場違いな関係のほうが、ずれは少ない。

 確実に共有するものがある人々が集まっている場でも疎外感はある。それは別に意地悪な目にあっているわけではなく、その場にいながら、他のことが気になっているときだ。

 人は所詮一人の頭の中での世界で暮らしているだけに、少しでも共通するものがあれば嬉しいと思う。このレベルでとどめておけば、問題はそれほどない。