川崎フォトエッセイ  その612  目の高さ      HOME

 大人になると身長と座高は、ほぼ一定する。そのため、見る高さも一定し、見える角度も一定する。つまり、自分にとっての標準の目の高さが出来る。これは、慣れた高さとなる。

 目の高さによる違いで、見えるものと見えなくなるものが極端に出来るわけではない。うんと下から見ると、テーブルの裏側まで見えてしまうが、それを見なくても、テーブルの存在は同じである。

 テーブルの下に盗聴器が仕込まれていて……とかは、日常ではリアルなものではない。その人が、盗聴されるなどのおそれのある環境なら、普段から気を配っているはずなので、盗聴の心配も日常的になる。

 そうでない人は、盗聴などは気にしないし、気を配る必要もない。見えないからと言って、心配する必要もないのだ。

 僕らは気にしていることに気を配り、その視線や視野を展開させている。