川崎フォトエッセイ  その677  接触      HOME

 人が行き交う道には当然人がいる。「歩く」という同じ行動はとってはいても、見知らぬ関係が多い。

 通りがかりの人と話すようなことは日常的にはない。そのきっかけや必要性がないためだ。

 ネット上でも人々は行き交っているが、同じ空間内での出来事ではない。しかし、その空間は共有できる。同じ場所を歩いているように、他の人もそれを見ているからだ。

 ネット上でのコンタクトは、通りすがりの人に対しても話しかけることがチャットや掲示板で可能だ。

 本来なら、声がかけられない見知らぬ人と、朝までチャットで話し込むようなこともある。

 リアルな存在としての見知らぬ人々も、決して無口ではないのだ。接触の機会がないだけで、その気になれば、口を開き、表情を変え、人柄を現していく。ただ、通行人であるため、リアルでの目的地へ行くため、接触している場合ではないのだ。