川崎フォトエッセイ  その709  遠目       HOME

 遠くを見ていると、のんびりとして気持ちとかになる。至近距離にあるものは、それだけ関わりやすくなるが、遠すぎると、関係が薄くなり、すぐにはその対象が襲ってきたりはしない。つまり安全圏にいるわけだ。

 実際に、見晴らしの良い場所で、それを体験するためには、もう一つネタが必要となる。いきなりその場所へワープできないため、登山とか、海水浴とかに絡めないといけない。

 魚釣りなどは、ずっと同じ位置に居座り、遠目を堪能できる。もし釣り道具もなく、そこに立つと、存在が不安定になる。何かをしている人よりも、何もしていない人のほうが不気味である。

 波や雲など、自然が繰り出す現象を見ていると落ち着くのは、同じ地球上でのリズムと、自分も重なるためだろうか。

 波を見ながら、実は別のことを考えたりすることも多い。自分もある時間と空間内にいることで、生きていると言うことの基本が分かったりする。