川崎フォトエッセイ  その728  納屋       HOME

 居住空間とは別の場所にある納屋は、風景の一部となり、そこに建っていること自体気づかないことがある。

 田畑がまだ残っているような住宅地を歩いていると、この種の納屋が意外と多い。農機具とかを格納する場所なのだが、直接農業に関わらない僕としては、見逃してしまいやすい物件だ。

 自分と関わりを持たないものは見えないわけではない。そのジャンルでは関わらなくても、別のジャンル、ここでは散歩中の風景と言うことで、関わりが出来る。

 この関わりは無責任な関係で、傍観者の位置であり、同じものを共有し、苦労を分け合い、一緒に喜び合ったりする関係ではない。

 納屋の持つ違和感は、狭い住宅に住んでいる者にとって、そのゆとりを羨ましがるためだろうか。

 田畑には納屋が、農家には蔵があり、考えると、格納スペースの広さに驚く。