川崎フォトエッセイ  その757  現れ方       HOME

 それは現実の何かなのだが、わかりにくい構図もある。むしろ見る側の構図によってわかりにくくしていることもある。

 さほど意識的にならない限り、人は普通の姿勢でものを見ている。しゃがんだり、腹這いになる姿勢は、何かの目的のため、そのアクションが伴い、その体勢による視野が生まれ、妙な見え方となる。

 見ている対象は、同じでも、位置が違うと、見える角度や重なり具合とかも変化し、現実がより立体的に見える。

 現実そのものは最初から立体的なのだが、見慣れたものは平面的に見える。これは、そのものに対する興味や、必要性の問題かもしれない。

 人間関係でも、いつものポジションにいつもの人がいると、平面的だが、その位置が変わると、馴染みのない側面が現れたりする。

 現実は何も変わってはいないのだが、意識の変化で、新しい現実が現れたように思えてしまう。