川崎フォトエッセイ  その772  民族       HOME

 民族という言葉は、素朴な響きがある。複数の国家を含めた非常に広い範囲に住んでいる民族もあるし、少数民族のように、人口的には非常に少ない民族もいる。

 同じ民族でも、戦争で国そのものを違えてしまうこともある。

 日本国内でも、日本民族というものが、何を指しているのか、日本人である僕でさえ分からないことがある。東アジアの人をテレビで見ると、日本人と同じ顔をしていることが多く、同じ民族ではないかと思ったりもする。

 国民意識や、市民意識は、今の意識であるが、民族となると、それ以前の問題になる。民族間の争いが報じられるたびに、近代国家というものが、機能していないのではないかと思ったりもする。

 民族のイメージは、遠い先祖の世界で、民話や昔話の世界だと思っていても、どこかで基盤となっている体質が噴出するのだろうか。それが楽器となり、演奏となり、音色となって伝わるような民族性なら、歓迎する。