川崎フォトエッセイ  その787  無限の書き換え       HOME

 道を歩きながら、その前方を見ていると、かなり遠くまで見通すことができることがある。

 特に一直線に伸びている道は、奥の方になると小型カメラの距離計ではほとんど無限域となる。本当に無限は、その道の少し上にある空が無限域なのだが、人間の目もカメラの目も、その違いを関知できない。

 ある場所から果てていた場所まで歩いて行くと、さらにその先に無限域が続いていることがある。前方だけではなく横道もそうだ。

 実際にはそこで果ててなく、町中では無限が次々に書き換えられる。しかし、この無限と見えるような距離感は貴重で、周囲が建物など、壁に囲まれ、見通しが悪い場所よりも開放感が味わえる。

 散歩中、憩えるのは、この種の無限で、無限が、次々に立ち現れるのが快いのだ。