川崎フォトエッセイ  その797  仕掛け       HOME

 人はある目的のために何かをし、それが町中で形や配置や痕跡となって残っているのだが、目的を失っているものもある。

 それ以前に、仕掛け人の目的がわからないものもあり、また、それが仕掛けられたものか、偶然そうなっているのか、などの区別も難しい。

 当然のことながら、自分とは当面関わらないものに対しては興味を抱かないため、見えていても意識的に考察しない。

 その仕掛けに思い当たる節があると、仕掛け人の意図が理解でき、謎が解明できる。それは推測であっても、景色としては納得できる。

 人の意志で仕掛けられているものでも、それが仕掛けだと気づかない。景観の中に自然に溶け込んでいる場合、見る側も引っかかるものがない。

 ちょっとした意外なものを発見し、一秒ぐらい頭を回転させ、すぐに推測できると、それなりに充実する。