川崎フォトエッセイ  その844  ドラマ       HOME

 人は行動の最中の時、それを引いて見ることもできるが、その状態そのものも最中であることにはかわりはない。

 本当に引いた状態で見ているのは赤の他人とか、通りすがりの人とかだ。事実関係が分からないで見ることになるが、それが何となくドラマチックに感じられる。

 最中の人はドラマを演じている人たちで、それが同時に観客にはなり得ない。そしてドラマを感じるのは、想像力をかき立てられ、触発される何かがあるときだ。

 人の様子を見ていると、単に断片を見ているに過ぎないのだが、その断片からおおよその世界や舞台が分かる。

 それらも単に憶測にしか過ぎないのだが、ドラマは感じる側に発生するため、事実関係よりも雰囲気が大事だ。

 ある種の雰囲気は多数の人でも理解できる共通の感覚で、それなりに分かり合える。そこに入っている具体的内容が問題なのではない。