川崎フォトエッセイ  その853  店番犬       HOME

 犬が店先にいると留守番になる。つまり番犬である。だが、番犬とならない猫のような犬もいる。猫が「番猫」にはならないのは、犬のように積極的に吠えて威嚇したり、飼い主に知らせたり、人に襲いかかることはないからだ。

 今の時代、犬が店番をするような店を作るのは難しい。全ての犬が大人しく、人を噛んだりはしないという保証はないからだ。

 あまり大人しい犬では番犬の役にはたたない。そうかといってやたら吠えたて、人に向かっていく犬は客商売向きではない。

 絶対に人を噛まないように訓練されている犬でも、そのことを通行人には分からない。それだけに噛む可能性を考慮に入れる。

 しかし、犬が店番している店を見ると、周囲の環境が、それなりにうまくできている場所ではないかと、うらやましく思えたりする。

 町内の人も、その前をよく通る人も、その犬に慣れるまで、それなりの月日がかかる。犬もそれなりに努力している。