川崎フォトエッセイ  その860  価値観       HOME

 既に、その機能が古くなり、使われないまま保存されていた場合、骨董品としての価値が出ることがある。

 本来の目的が果てたとき、その機能的価値が消えるため、新たな価値体系の中に組み込まれる。

 商品として流通する価値もあれば、文化財的な資料価値となるものもある。当然、私的な価値として、商品化を拒むものもある。

 価値は相場によって変わり、同じものが時代によってゴミにもなれば文化財にもなる。社会的な価値もあれば、私的な価値もあり、共通する価値観もあれば、私的な価値観もある。

 ただ、人が大事にしているものは、価値がそこにあると推測できる。それは自分も似たような感じで、大事にしているものを秘蔵しているためかもしれない。それは単なる思い出の品であってもかまわない。

 人の価値観を認めることは、今度は自分の価値観も認めてもらえることになるわけではない。つまり価値観の相違で争いが起こるのは日常茶飯事で、このルールは保険でしかない。