川崎フォトエッセイ  その879  ペットボトル       HOME

 人が作った物とかは生物的な進化はしない。それは当然の話である。それは生物ではないからだ。

 しかし、物は人の手により、いろいろな使われ方をする。その物の本来の目的とは関係のない目的であっても、何らかの使用目的に叶っておれば、その生き方も可能なのだ。

 ある生き物が、別の場所では、違った形や習性を身につけるように、物も、その種の進化を遂げているような錯覚を覚えることがある。

 たとえばペットボトルである。一番最初に、その商品を作った人にとって、それは単なる容器であり、その中身を入れるために作られたものでしかないのだが、今では、全国津々浦々に行き渡り、様々な使われ方をしている。

 これは資源の再利用という観点だけではなく、その形や構造が、実際に他の用途でも使えることを、単純に考えての発想だと思う。

 これは不思議な進化を見るような趣だ。