川崎フォトエッセイ  その914  夜の闇       HOME

 夕日が沈むと夜の闇が覆う。都会では暗闇になることはない。

 しかし、ちょっと山側に入り込むと、怖いほど暗い場所もある。街灯そのものがない山道など、日が落ちると懐中電灯でもない限り、歩けなくなる。

 人が日常的に暮らす場所は里であり、今で言えば町であるため、街灯ぐらいあるはずなので、夜でも歩ける。それに慣れてしまうと、人里離れた場所での暗さは驚く。

 この状態は、その人自体が日常とは違う、とんでもない行為をしているときかもしれない。滅多にそんな場所へは行かないし、予定にあるのなら明かりを用意しているだろう。

 里の内側でも、寺社は里から少し奥まった山の斜面に建っていることがある。夜に寺社に行くこともほとんどないはずだ。

 しかし観光客とかが、たまに紛れ込むかもしれない。その人達は旅行という非日常中なのである。