川崎フォトエッセイ  その970  大根       HOME

 大根は庶民的な食材だ。値段的にも安いため、それほど高価な料理にはならない。

 食堂でも、ご飯を注文すると、沢庵が付いてくる。これに対しての値段はない。安いためだろう。

 おかずがなにもないときでも、黄色い沢庵があれば、食べやすい。また、ご飯を食べきる前におかずがなくなったとき、沢庵が活躍する。

 沢庵はご飯とは異なる歯ごたえがある。そして、それほど大量には食べられないため、少量ですむ。

 おでんの大根は人気がある。癖がないためだろうか。食べるとき、色々なものをつまんでいると、箸を休めたくなる。おでんの大根は柔らかく、胸焼けの心配も少ない。

 しつこい魚などでは、大根おろしが重宝する。大根おろしがしつこさや脂っこさを緩和してくれるのだろう。

 大根畑はよく見かける。大根泥棒はいけないが、農家の台所に忍び込まれることを思えば、食に飢えた旅人に大根の一本ぐらい抜かれてもかまわないような気がする。