川崎フォトエッセイ  その1034  薄い       HOME

 手前は濃く、後方は薄い。絵を書くときの遠近法だ。そんなことを知らなくても、見れば分かるため、その記憶で再現すれば、そうなる。

 遠くのものほど薄いのだが、その場所まで行けば、濃いものが見えるはずだ。そこまで行ってもまだ薄いと言うことはないはずだ。

 しかし、人の場合、遠くの人が必ずしも薄くはならない。薄いのは縁だけで、関係がホットなら、必要以上に濃いだろ。

 密度の濃さは、解像力が高いのだろうか。あることに関し、10個のことしか知らない人よりも、100個のことを知っている人のほうが解像力は高いとしても、その一つ一つの質が問題になるだろう。たとえ一つしか知っていなくても、100知っている人より、よほどしっかりした態度の人もいる。

 情報は意見や内容ではない。情報の多さと賢さとは別だ。それをどう使うのかということに対しての情報も、またある。

 情報を情報によって処理する仕掛けは、自分の中には書き込まれていかないような気がする。