川崎フォトエッセイ  その1106  無礼者       HOME

 元々、人が通るために出来ていた道にクルマが入り込み、強引に進もうとすることがある。

 ドライバーにとっては、そこは公道であり、道路交通法違反を起こしていないし、また税金も払っているため、走る権利があるような感じで、押す進む。

 ドライバーは、その町内の人と交流することなく、密室の中から関わりを絶った状態で、侵入する。

 町の人にとって、ドライバーの人柄とかよりも、クルマの形を見る。クルマそのものが人柄で、それは無機的な機械なのだ。

 ドライバーが歩行者に合図を送っても、そんな座ったままの状態で、手で合図したぐらいでは分からない。また、窓の中の人物など、殆ど意識しない。意識的になるのは、車の動きだ。

 ドライバーが車から降りてきて、やっと普通のコミュニケーションが出来る。昔で言えば、馬上から、物を言えるのは、それなりの武将が、目下の者相手の時だけだ。

 車は頭が高くかさも高い。