川崎フォトエッセイ  その1181  受け入れる       HOME

 ぐっと口を閉じ、何かを飲み込んでいるような表情は、受け止めて理解している感じがする。

 人が生きていく場合、受け入れるという行為が必要になる。当然、精神的な受け入れ方は、受け入れがたい時には、ぐっと苦みを噛みしめながら、飲み込む感じとなる。

 喉を通過しても、胸焼けを起こすような受け入れ方がある。しかし、飲み込んだ限り、滅多にそれは吐き出せない。

 吐いたり下したりしても、受け入れたことに対する事実は変わらない。自分だけの問題ではなく、既に人の問題にもなっているからだ。

 しかし、たった一人で、受け入れなければいけない事柄もある。他者も影響するだろうが、受け入れたことを、誰かに知らせる必要が生じないこともある。

 自分が何かをするということも、誰かに何かを受け入れさせることでもある。そして、相手が受け入れ行為をしたことさえ、分からないこともある。