川崎フォトエッセイ  その1258 ある通り      HOME

 通りがあり、商家がある風景は親しみがある。

 地面の上にある商家はいつの間にか町並みの中に溶け込んでいく。

 そんな商家が並んでいる通りが商店街となり、やがて駅前のショッピング街となり、何となく遠い存在、近寄りにくい存在となる。

 個人の商家の場合、その個人との関係で、その店に入るのだが、ビルの中の一テナントになってしまうと、個人はその店ではなく、そのビルとの関係になる。

 親しみが沸かないのは、顔の分からない団体が所有する建物に対して親しみが沸かないためだろう。

 個人との関係と団体との関係では、態度が異なる。

 商家も企業と呼べるほど大きな団体であっても、その建物は、その店だけのものである。他の店との関係はない。

 時代とともに足場も変わる。