川崎フォトエッセイ  その1259 動く古典      HOME

 動いているものは目立ちやすい。

 機械的な仕掛けがなくても、風でなびくことを利用した幟などがその例だ。  同じような感じで、布製ののれんなども動くだろう。

 しかし風のない日は、ピタリと止まり、その効果は少ないだろう。まさに風任せだ。

 そんな穏やかな見せ方など、注目度は低いのだが、動きのない看板よりも趣がある。

 その布の靡き方で、風の強さや方角さえ分かるかもしれない。

 この種の古典的手法が、意外とメリットがある。電気的なものを使わなくても済むため、設置も楽だし経済的だ。

 しかし古典的なものは、古典的すぎて、その存在が逆に見えないこともある。

 風で靡いていても、注目さえしない状態になるのだ。それは木の葉が揺れるのを注意深く見ないのと同じように。