川崎フォトエッセイ  その1276 考える人      HOME

 街に出ると、考え込むわけにはいかない。

 立ち止まったり、座り込んで考え込む場所がないためだ。常に何かをするスタイルが、街中でのスタイルだ。

 しかし、人は常に何かを考えている。考えの多くは何かに対しての選択が多い。

 例えば、街中で、何かを食べようとしたとき、入る店などを選択する。あるいは何を食べようかと考える。

 その状態で考え込んだ場合、考え込む時間に制限がある。一時間も二時間も、そのスタイルを続けることは出来ない。

 人生に関わる重大事でも、今日は何を食べようかと選択に悩んでいるときでも、人の表情は同じである。

 人生の先行きを苦慮している図も、メニューを見ながら食べ物の選択に苦慮している図も同じだ。

 人は常に何かを考えている。その演算スピードが少し長いと「考える人」になってしまう。

 

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