川崎フォトエッセイ  その1340 灰色猫      HOME

 白い野良猫で歴戦の勇士は、その色も灰色に汚れている。

 当然、色だけではなく、古傷もあり、生き延びてきた歴史を感じさせる。

 灰色の猫はいるが、産まれたときからの毛の色なら、それは汚れた色ではない。

 灰色は、灰を被ったとき付着した色で、あまりよいイメージはない。

 黒は犯人だが、灰色は疑惑のままで、はっきりしていない色目だ。

 しかし、色目を感知することが出来ない動物は、色彩をグレースケールで見ている。モノクロ写真と同じで、殆どの色は灰色だ。

 長く生きてきた野良猫でも、この時代、灰を被るようなことはないだろうが、排気ガスで汚れているかもしれない。

 野良猫は、飼い主の癒しに貢献するペットではなく、一匹の動物であり、世の中を渡ってきた存在感がきっちりとある。

 

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