川崎フォトエッセイ  その1381 仮前景       HOME

 ぼんやりとした記憶がある。そのものではなく、そのものの背景になっていたものの記憶とかだ。

 メインではなく背景に印象深いものがあるのだが、そこにピントを合わせると意識的になりすぎる。

 写り込んでしまったもののほうが、自然なのだ。また、何でもない背景だけを写すとなると、ポイントがないため写す気になれない。

 だが、背景の美味しさがそこにあり、とりあえずの前景を写しながら、実は背景を捕らえようとすることもある。

 背景がメインになると、分かりにくい写真となる。どこを見ればよいのか目が泳ぐからだ。

 ぼんやりと映っている背景だけに、奥ゆかしさがあり、これ見よがしに見せつけないところがよい。

 何らかの仮の背景や、仮のピントが必要なことがある。

 

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